フェレットの健康管理
日本においてフェレットは犬、猫、ハムスター、鳥、カメにつぐ飼育数になってきました。イタチ科でヨーロッパイタチの改良種といわれ、野生種はいないとされます。ヨーロッパでは穴の中にいるウサギを追い出すのに使用されてきました。インフルエンザに罹患するためインフルエンザの研究用にも使用されています。日本にいるフェレットはそのほとんどがアメリカ、カナダ、ニュージーランドから輸入されています。生後1ヶ月で避妊虚勢手術および肛門腺切除手術が施されています。またジステンパーウイルスのワクチンも1回は接種されています。
フェレットの定期検診
フェレットは寿命が6~8年で短く早く年を取ります。また心筋症や腫瘍性疾患、また歯のトラブルやフィラリア症などの病気があるので少なくとも年に一回は定期検診を受けましょう。
フェレットの予防医学
フェレットは犬のジステンパーに感染します。感染すると死にいたります。少なくとも年に一回はジステンパーのワクチンを受けましょう。(日本にはフェレット専用ワクチンがありません。犬用で副作用がなく、確実に免疫が獲得できるワクチンを打ちましょう)。
フェレットはフィラリアにも感染します。4月~12月まで予防薬を飲ませましょう。(フィラリアの薬も犬用の薬を使います。確実に予防できる薬を飲ませましょう)
フェレットの疾病
主に腰から尾にかけての脱毛で明らかになることが多い病気です。超音波検査や血液検査でこの病気を確定すると、手術をして腫瘍を取り除きます。また凍結して壊死させる方法を行うこともあります。最近はリュープロンという薬を使用することもあります。
よく震える、痙攣を起こした。ぼーっとすることが多くなった。また脱毛してきたなどの症状で発見され、膵臓に腫瘍ができる病気です。初期であれば手術をして膵臓の腫瘍を取り除きます。
目が腫れてきた(目に腫瘍ができるタイプ)。食事をせずに嘔吐や下痢をする(内蔵に腫瘍ができるタイプ)。内股や体節のリンパ節が腫れる、などの症状が出ます。初期なら積極的な抗がん剤治療で完治も望めます。
痩せてきた。食欲がない。貧血してきたなどの症状を起こし、発症すると死にいたります。パルボウイルス感染と免疫異常により発症します。対処療法が主体の治療になります。
上記の以外にもフェレットの病気はたくさんありますので定期的な健康診断が必要です。おかしいなと思ったらなるべく早く診察を受けさせてください。
うさぎの健康管理
イエウサギはスペイン、ポルトガル辺りが起源でローマ時代には家畜化されていたそうです。食用、毛皮用、毛糸用に飼育されていました。現在は研究用、愛玩用、食用として飼育されています。
ウサギの定期検診
ウサギの平均寿命は7~8歳です。一年に一回は健康診断を受けましょう。ウサギの来院数で一番多い疾患は、不正咬合といって奥歯が伸びて食餌が食べられなくなる症状です。気づかないと命を落とすこともあります。また特に4歳以上になると雌は子宮のトラブルが多くなります。定期的な健康診断をお勧めします。
ウサギの疾病
コクシジウムという寄生虫により引き起こされることが多く大変致死率の高い疾患です。なるべく早く診察を受けましょう。
ウサギの歯は一生伸び続けます。しかし牧草などの繊維の多い植物を食べることによって上下の歯はお互いを研磨しています。軟らかい野菜やペレットばかり食べていると特に奥歯はこの研磨がうまくいかなくなり、歯が舌に突き刺さったり歯根部が蓄膿したりします。ウサギの来院で一番多い症状がこの不正咬合です。
突然頭が横に傾き目をまわしています。ひどい場合は起立できず横たわっています。エンセファリトゾーンという寄生虫が頭部の前庭器官に障害を起こす病気です。重症になると命にかかわります。
血尿をしているウサギをレントゲン検査してみると、膀胱に結石があることがあります。手術して取り出します。
4歳以上の雌ウサギで陰部から出血している場合、かなりの確立で子宮にトラブルがあります。中には悪性の癌もありますから早急な治療が必要です。
ノミ、シラミ、ツメダニ、疥癬などの外部寄生虫症。またカビが生える糸状菌症。細菌性の皮下膿瘍。皮下腫瘤など皮膚のトラブルが起こります。早めの対策が必要です。
そのほかにも色々な疾患が起こります。毎日の観察が大切です。
鳥類の健康管理
当院では必要に応じて検便、血液検査、そのう検査が可能です。また鳥用の処方食も準備しておりますのでご相談ください。
爬虫類の健康管理
カメ、イグアナなどの爬虫類は飼育法の失宜による病気がその大半を占めます。様子がおかしくなる前にご相談ください。(当院では爬虫類の診察、手術も可能です)